ゲームレビュー

【ゲーム紹介&感想】テリーのワンダーランドSP


スマホ版のRPG「ドラゴンクエストモンスターズ テリーのワンダーランドSP」
通称「テリワンSP」をクリアしたので感想です。

また、ドラクエはわかるけどモンスターズシリーズはよくわからん…という方向けに概要紹介もしてみます。

ゲーム概要

まずはゲームの概要。

本作は、ドラゴンクエスト6の登場キャラクター「テリー」を主人公にしたモンスター育成型RPGです。
1996年に発売されたゲームボーイ版をベースとして、PS版、3DS版とリメイクののち、2018年にスマホ用アプリとしてリリースされました。


少年テリーは、さらわれた姉のミレーユを探して、タイジュの国という異世界に召喚されます。

タイジュの国は、モンスターを仲間にして戦わせるポケモン的な世界。テリーもルールに従ってモンスターを仲間にして奮闘します。

テリーはタイジュの国で行われるバトル大会で優勝し、姉のミレーユと再会。ここでひとまずエンディングとなります。

その後、魔戦士たちとのバトル(星降りの大会・レジェンド)を行なってシナリオ終了、あとはエンドコンテンツが続く…という感じ。

 
ゲーム画面は上記のように縦持ち専用のレイアウトとなっており、上部にゲーム画面、下部に操作パネルや各種情報が表示されています。

画面部分が指で隠れないので操作しやすいです。

戦闘はドラクエらしくターン制。「命令」というかたちで細かいコマンド選択もできますが、オートの方が的確な判断をしてくれる印象。

人間は、戦わない


後に最強の剣士(自称)となるテリーくんですが、本作ではバトルに参加しません。
戦闘に参加するのは4枠ぶんのモンスターパーティーのみ。

4枠というのは、モンスターのサイズによって占める枠が違うためです。中型は2枠、大型は3枠取ります。

確保枠が大きいほど、全体攻撃を持っていたり行動回数が多かったりと性能は高め。
小型モンスターで頭数を稼ぐか、大型モンスターで一掃するか、と編成に頭を使います。

S、M、Gの順に、確保枠が大きくなります。

なお、主人公であるテリーも何もしないわけではなく、1ターンに1回、薬草などのアイテムを使ってバトルをサポートできます。

ゲームの基本的な流れ

ゲームの基本的な流れは以下となります。

・「旅の扉」と呼ばれるダンジョンに潜る。
・旅の扉内でモンスターと戦って仲間にしたり、倒して経験値を得たりする。
・旅の扉最深部でボスを倒す。(倒したボスが仲間になる)
・モンスター同士を配合して強化する
・力がついたら闘技場でバトル。
・既定のバトルをクリアすると新たな旅の扉開放。

ドラクエ本編とちがって、ひとつの拠点(タイジュの国)で準備を整えるタイプのゲームです。ワールドマップとかもありません。

「星降りの大会で優勝してミレーユと会う」、「魔戦士を倒して精霊石を守る」、という目標はあるものの、基本的には仲間モンスターを強化してより強い敵を倒すことが主目的となります。

ちょっと特殊な配合ルール

ドラクエモンスターズシリーズのウリである配合システム。自分的には馴染みのない特殊なものでした。
概要はこんな感じ。

性別の概念がある
スキル引き継ぎで、親より子が強くなる
魔法スキルは2個でひとつ
「機体とパイロット」的な「特性と種族スキル」

性別の概念がある

このゲームではモンスターを「配合」して強化していきます。
配合というとメガテン(女神転生)の悪魔合体が有名ですが、本作のイメージはかけ合わせ。子作りです。

登場するモンスターに雌雄の概念があり、異なる性別同士でないと配合できません。

オスとメスを掛け合わせて新たなユニットを作るというと「俺の屍を超えていけ」に近いですが、親となったモンスターは消えてしまう(夫婦で旅に出るらしい)ので、結局システム的にはメガテンの悪魔合体に近いです。

ちなみに雌雄はシステム上の扱いのみで、見た目は全然変わりません。ヒゲの生えたマッチョのオーガーでも、メスの可能性があります。

マーニャ・ミネアにとって親の仇である、元錬金術師の男バルザック(女)。

また、雌雄同体という特殊な性別もあります。これはオスともメスとも配合可能なジョーカー的存在。
パプワくんに出てくるイトウくんを思い出しますね(古い)

スキル引き継ぎで、親より子が強くなる

配合によって生まれるモンスターには、両親の持つ「スキル」をいくつか選択して引き継ぐことができます。
スキルはステータスアップ系のパッシブスキルや、魔法とか剣技のようなコマンドスキルがあります。

各スキルには習得度がポイントでついており、子供は親のスキルポイントを半分引き継ぎます。

剣技を100%極めた父と魔法を100%極めた母の子供は、剣も魔法も50%。

弱くなってる!と思うなかれ、子供はレベル「1」でスタートするので、すぐにレベルアップして急成長します。結果、親を追い越します。

ただ、子の代でちゃんとスキルを育てないと、孫の代ではさらに半分になるので、祖父母から引き継いだスキルが台無しになってしまいます。
「血が薄れていく」とでもいうんでしょうか。システムでそれを表現するのは、ナルホドと思いました。

魔法スキルは2個でひとつ

魔法のスキルは、「ギラ&ドルマ」とか「イオ&ギラ」といった具合に、2系統を組み合わせたスキルになっています。これが若干ややこしい。

イオ系呪文を得意とするモンスター同士でも、実はスキルは別のもので、配合しても効果がなかったりします。

例えば「イオ&ギラ」のスキルポイントが100のモンスターと
「イオ&ドルマ」のスキルポイントが100のモンスターを配合すると…

「イオ&ギラ」と「イオ&ドルマ」のスキルポイントがそれぞれ50のモンスターが出来上がってしまいます。

「機体とパイロット」的な「特性と種族スキル」

各モンスターには、特性というものがあります。
1ターン中に2回行動ができたり、回復魔法の消費MPが半分になったり。これはモンスターユニット固有のもの。見た目に関連づいたスキルといえばいいでしょうか。

対して、種族スキルは、モンスターの特徴をそのままモンスター名の「スキル」として定義したもの。
たとえば魔王ミルドラースであれば「魔王ミルドラース」というスキルがあります。メラゾーマやイオナズン、いてつく波動といった、ミルドラースっぽい能力をひとまとめにしたもの。配合の過程で引き継いだり引き継がなかったりできるので、スキル「ミルドラース」を持ったスライムや、ミルドラースを持っていないミルドラースを作ることもできます。

配合回数を重ねるほど能力が底上げされていったり、特定の配合で生まれたモンスター同士を配合したときのみ生まれるモンスターがいたりと、まあ奥が深いです。

ちなみに、モンスターが装備できるのは「武器」のみで、防具やアクセサリーは存在しません。
本家ドラクエでは装備できない武器を装備できたりもします。スライムが鞭を装備したりとか。

実はめちゃくちゃ時短できる

最初にゲームを始めたときは、コツコツと地道にモンスターを強化して、配合の順序に則って段階的に強いモンスターを作っていくものと考えていました。
もちろんそういう楽しみ方もできますが、このゲームにはたくさんのショートカット要素が用意されています。

ひとつは「らくらく冒険」。これは、クリア済みのダンジョンに自動で潜って一瞬でゴールまで行ってくれるというもの。
経験値やゴールド、アイテムも手に入るうえ、ちゃっかりモンスターを仲間にしてくれます。

過程をすっ飛ばして結果のみ残る、ディアボロのキングクリムゾンのようなシステムです。しかも、パーティーがいかに弱くても無傷でゴールにたどり着くという仕様になっています。

レベルの低いモンスターでパーティーを組んで「らくらく冒険」に送り出せば、それだけで一人前に成長してくれます。1時間に1回しか実行できないという制約がありますが、常時携帯しているスマホならではの仕様だなと思います。

もうひとつの時短要素は、他国マスター、オンライン他国マスターからのモンスター横取り。

他国マスターは、旅の扉に出現するNPCで、テリーと同じくモンスターを従えています。ポケモンのようにモンスター同士でのバトルを行う事ができるのですが、なんと戦闘中に相手モンスターをスカウトすることができます。
相手はそんなことしてきません。スカウトに成功するとその場で戦闘は終了。テリーの勝ちということになります。結構ひどいことしてるぞテリー。

オンライン他国マスターは、一般ユーザがアップロードしたパーティーと戦える仕組み。
こちらは、スカウトこそできないものの、バトルに勝てば相手パーティーのモンスターを仲間にすることができます。
仲間にできるのは1体だけ、しかもランダム、レアすぎるモンスターの場合は代替の「卵」をもらう といった制限はありますが、配合でしか入手できないモンスターを手っ取り早くゲットすることができます。

手も足もでないような最強パーティーをアップロードしている人もいれば、貴重なモンスターを低レベル状態でバラまいてくれている人もいます。

実際、私はオンライン他国マスターで「バルザック 」を入手して以降、ストーリーモードがグッと楽になりました。

感想

感想です。基本的には単調な作業ゲーながら、作業部分を効率よくこなすための工夫が随所に見られ、快適でした。
ただストーリーはおまけみたいなもの。ドラクエの良さをストーリーなんだと考えている人は馴染めないかもしれません。
愛着のあるキャラクターを使った別ゲーとして楽しみましょう。

世間ではドラクエウォークがブームになっているというのに、テリワンのご紹介でした。
ちょっと前のセールで買ってしまったから消化のため、っていうのが正直なところですが、買い切りアプリはちゃんと自力で最後まで辿り着けることが保証されているので、安心感がありますよ。
ソシャゲは終わりどころが見つかりません。そこがいいところでもあるのですが。

ところで、本作の元々の姿である「ゲームボーイ版」を移植したものも、スマホアプリとして販売されているようです。
初代をプレイ済みで「このレトロな雰囲気がいいんじゃあ〜っ!」というかたは検討してみてはいかがでしょうか。

でも、もう少し価格差をつければいいのに…ゲームボーイクオリティで1000円オーバーって、いかがなもんでしょうね.。

The app was not found in the store. 🙁

こちらが、レトロ版。

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