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ドラゴンボールZ 強襲!サイヤ人
発売日 :1990年10月27日
販売 :バンダイ
ジャンル:RPG
原作 :ドラゴンボール
原作者 :鳥山明
ドラゴンボールを題材としたファミコンゲームの第4弾です。アニメ「ドラゴンボールZ」としては1作目。
物語の方向性がガラッと変わった「サイヤ人編」を中心にした作品です。前作までと同様、カードを使って移動、戦闘を行うシステムが採用されています。
スゴロクのように一本道だったマップは、上下左右に移動可能なマップに進化。タダで全回復できる宿屋的なものや、経験値を稼げる修行ゾーンなど、便利な施設が点在しています。
使用キャラクターは、悟空のほかにピッコロ、悟飯、クリリン、ヤムチャ、天津飯、餃子が使用可能です。いわゆるZ戦士というやつですね。
余談ですが…私は「Z戦士」っていう呼称は苦手です。Zの意味が不明。アニメのタイトルとして付けるぶんにはいいのですが、作中にメタ情報を持ってくるのはどうかと思います。
さて、そんなZ戦士たちが活躍する本作。後年はサイヤ人組の戦闘力についていけなくなるのですが、今作ではちゃんとそれぞれ活躍できるような構成になっています。
また、本作から「バッテリーバックアップ」に対応しており、ゲームデータのセーブができるようになりました。パスワードをメモる必要がなくなりましたが、セーブデータは1個しか作れないのが難点です。
ストーリー
サイヤ人であるラディッツ、ナッパ、ベジータが地球に襲来。Z戦士たちがベジータをボコって追っ払うまでの話です。
ラディッツを倒してから、ナッパとベジータが地球に来るまでの一年間はオリジナルストーリーとして「ガーリックジュニア」一味との戦いが描かれています。
ラディッツ戦では悟空とピッコロの2人、ガーリック一味戦ではピッコロをはじめとするZ戦士集団6人、ナッパ・ベジータ戦では悟空も加わった7人がバトルメンバーとなります。
ゲームオリジナルのガーリック一味編のゲームデザインが秀逸です。3つの地域にいるガーリックジュニアの部下を、Z戦士が2人1組で各個撃破する流れになります。其の後は6人が合流してガーリック城へ殴り込み。最初から6人で動けよという気もしますが、まんべんなく全てのZ戦士を扱えるという設計がすばらしいです。
2人1組のチームは、自由に編成できます。ヤムチャとピッコロ、悟飯と餃子といった、原作で一度も会話してないんじゃ?という組み合わせも可能。
まあ、ピッコロと悟飯、クリリンとヤムチャ、天津飯と餃子、という選択が多いのではないでしょうか。というか、ボタンを連打しているとこういう編成になります。
最終ステージでの、満を持しての悟空登場もまた熱いですね。他のZ戦士たちがお役御免になってしまうほど、別次元の強さを持っています。最初からいたら興醒め(もう全部あいつ1人でいいんじゃないかな状態)ですが、最終場面での登場なので、許せます。
グラフィック
戦闘シーンではなんと、リアル等身のキャラクターがめまぐるしく動いて空中戦を繰り広げます。上下左右、奥手前と、よくファミコンでここまで…と思えるほどの臨場感。
戦闘シーンの背景は黒一色なものの、足下に地面や山肌が描かれています。戦っている場所が空中だからこそできた表現ですね。背景色がないぶん、キャラクターのグラフィックにパレットを割くことができています。これもみんなが舞空術を使えるようになったおかげ。鶴仙流万歳。
必殺技の演出も迫力あります。基本的に、技を撃つ前の気の大きさで強さを表現しているみたいで、終盤にいくとヤケクソなほど派手になっていきます。粗削りな部分もありますが、力強くて好きです。次作の「激神フリーザ」では変にテンプレート化されてしまったので残念。
惜しむらくは、戦闘の演出が凝っているぶん時間がかかりすぎることですね。
特に終盤のボスは防御力が高く、長い演出でボコスカ殴った結果「ダメージゼロ」ということもザラ。演出スキップなんていう考えの無い時代でしたので、仕方ないといえば仕方ないですね。
音楽
本作では戦闘シーンのBGMが4種類あります。
ザコ敵戦、ガーリック一味戦、ボス級サイヤ人(ラディッツ、ナッパ)戦、ベジータ戦の4本という充実っぷり。特にラディッツ・ナッパ戦の曲は相手の強さも相まって緊張感バリバリ。
しかし、次回作の「激神フリーザ」では戦闘BGMがひとつだけになってしまいました。なぜ。
ゲームの感想
このゲームと出会ったのは小学4年ごろ。友人がプレーしているのを見て「ドラゴンボールらしい戦闘」の表現に感動。その後、なにかの記念日に、親に買ってもらいました。
前述のとおり、セーブデータがひとつしか作れないので、兄弟で交代しながら進めていた記憶があります。
経験値がそのまま「戦闘力」に還元される(3の経験値を得たら戦闘力が3増える)のが楽しかったですね。
この当時はまだ戦闘力のインフレも進んでいなく、登場人物の戦闘力は狭い範囲内に収まっていました。なので要所要所にチェックポイントがあるというかなんというか。
例えば「戦闘力が1200を超えたらサイバイマン以上、1500を超えたらラディッツ以上、4000を超えたらナッパ以上」といった具合に、強さの尺度が測りやすいんです。
まあ、この戦闘力がゲーム中でどう計算されているのかわからないんですけどね。気分的な目安になります。
総括すると、ストーリーもシナリオも気持ちよくまとまっており、安定した良作だと思います。
原作マンガの思い出
悟空が宇宙人だったという事実、悟空とピッコロがコンビを組むという夢の展開、さらに主要人物がバタバタ死ぬという圧倒的ナッパ。サイヤ人編は衝撃的な展開が多すぎでした。これらの場面にリアルタイムで立ち会えたのは、本当に恵まれた小学生時代だったものだと思います。
そうそう、ヤムチャがサイバイマンの自爆で死ぬシーン、今でこそネタ扱いされていますが、当時の空気はシリアスそのものでした。
サイヤ人の前哨戦で、いきなりメインキャラが死ぬとは思わなかったので・・・これはいったいどうなってしまうんだッッという感じでした。
ちなみに、ヤムチャが死亡する前の話では、天津飯が1対1でサイバイマンを圧倒しています。ヤムチャ死亡後は、クリリンが3体のサイバイマンを仕留めています。
優秀なハゲ2人と運が悪いヤムチャっていう図になっちゃってますね。そこがネタにしやすいんでしょうか。
そんなサイヤ人編の次は、大人気のフリーザ編へ。宇宙からの敵を退けたとおもったら、こんどは悟空たちが宇宙に行っちゃいます。